紙ものをいろいろ作る。一年ぐらい原稿を作っていなかったから、塗り足しってなんだっけなと一瞬考えたりした。作っているうちにだんだんいろんなことを思い出してくる。
寒いから茶、茶、茶、だ。新しいポットでいれるいつもの茶は美味しい。
昨日は切り干し大根の煮物、キャベツの和え物、ピーマンのきんぴらとつくねを作り、鶏肉を蒸した。まだ使わない豚肉には醤油をしておく。今日は余っていた鶏肉と豚肉を合わせて挽き、タコミートを作った。昨日の買い物はこれで大体手を入れたことになる。魚の干物は食べたい日に焼けば良いし、まだある野菜はぼちぼち副菜に使っていこう。
このところ料理をそれなりにしている。しかし料理が捗る時はだいたい、書いたり、書くことについて考えたりすることから遠ざかっている時なのだ、ときゅうりを切りながらふと思う。私にとって料理が楽しいというのは一つの状態であり、停滞でもある。そしてこの停滞に対して進展があるとすれば、書くことに没頭してそれ以外の全てを放り出している状態に他ならない。自分でエンジンをかけていかなければとは思うのだけれど。
一昨日「ホビット 思いがけない冒険」を観終わった。終わりの方でビルボが言うこの言葉がとても良かった。トーリンがビルボを「疑ってすまなかった」と謝るのに対して言った言葉。「いいんだよ。僕だって疑っただろう。僕は英雄じゃないし、戦士でもないし、(ガンダルフの言うような)忍びの者ですらないんだからね」。これは自虐みたいだけれども、それがビルボの良さで、ホビットの偉大なところではないだろうか。
ガンダルフの仲間の魔法使いも出てきて楽しかった。サルマンはこの頃からと言うか、もともと闇に傾きそうなところがあったのかもしれないな、と今作での言動を観ていて思った。強い者が強く、それ以外はとるに足らない者、とでも考えているような。良し悪しというよりは、善というものへの認識がガンダルフとは異なっているのだろう。
さて次作は「竜に奪われた王国」である。これは六年前くらいに買ってあったのだがずっと未見のままで、ついに見る機会がやってきた。原作も同じで、今は映画を休んでこちらを読んでいる。最近一般小説を読むのがつらくて読書から遠ざかっていたのだが、久々に本を読んで楽しいと思える。今はこういうのが合っているのかもしれない。次はナルニアを読もうかなあと考えている。
もう8日であるし、七草も入っていない。昔から柔らかい御飯が大嫌いで、粥というものを食べられるようになったのはだいぶ最近になってからだ。それも中華粥の濃い味を食べてようやく抵抗がなくなったという次第である。中華粥!角煮と搾菜を添えた中華粥を食べたい。今はコーヒーを飲んでいる。
亡くなった叔父が暮らしていた町の景色を新しい職場の行き帰りに車窓から見ている。枯れてゆく木々と真新しいビルと川の流れ。景色はずっとここにあるけど、人も物も、変わらないでいられるものはひとつもない。叔父が生きていたら今日の景色をどんなふうに見ていたんだろうかと考える。もっといろんな話をしたかったんだよな。もう思い出すことしかできない。でもひとつでも多く覚えていられれば。